ダルビッシュ MLB オールスターゲーム 2012 結果成績【ダルビッシュ 球宴】 [ダルビッシュ オールスター MLB]
7月11日、MLB オールスターゲームが
ロイヤルズの本拠地ミズーリ州カンザス・シティ、カウフマン・スタジアムで開催された。
試合はナ・リーグのワンサイドゲームで、
ア・リーグを完封、8─0の圧勝だった。これでナ・リーグは3年連続の勝利。
これで、対戦成績はナ・リーグが通算成績を43勝38敗2分けとし、
今年2012年ワールドシリーズのホーム開幕権を獲得した。
MVPに選ばれたのは、2ランホームランを放った
メルキー・カブレラ外野手(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が選ばれた。
※オールスターゲームMVPトロフィーを持つメルキー・カブレラ
Photo by REUTERS/Jeff Haynes
試合前、「初めてオールスターに選出された気分は?」の取材に対し、
ダルビッシュは
「すごく、みんなよくしてくれるし、すごい選手ばかりで、すごくいいです。
今までのなかで一番、勉強になり続ける試合になる」
と楽しげに語っていた。
※MLB オールスターゲーム試合前に整列する
ダルビッシュとテキサス・レンジャーズの仲間たち
(Photo by ロイター/Jeff Haynes)
試合では、残念ながら登板機会に恵まなかったことに対して、
「何人かの選手とは話ができたし、楽しめました」
と満足げだった。
実際、ア・リーグの指揮官でもあった自軍のワシントン監督は試合前、
「ダルビッシュは、延長戦要因として考えている」
と語っており、試合後のインタビューでは
「勝てなかったことは、非常に残念だ。
(ダルビッシュを使わなかったのは)
彼がフレッシュな選手だからだ。
もし何かの理由で延長になっても彼は1試合分まるまる投げられる」
と最大限の評価をしている。
さらに、
「ダルビッシュは前回の登板のあと、数日間休みがあり、
たっぷり休養をとれた。
もし、延長に入り14回とか15回にプレーする必要があれば、
ダルビッシュをマウンドに送って、残りのイニングを全部任せるつもりだった」
とも語った。
ダルビッシュは何と言ってもメジャーまだ一年目だ。
暑い夏を迎え、これからの後半戦を考えると
この機会にとダルビッシュを少しでも休ませておきたい、
と考えるのはワシントン監督の親心として当然だったとも言える。
ダルビッシュ自身もゲームが
8対0になった時点でわかっていたことだろう。
◆ナ・リーグ指揮官のラルーサ監督の声
「(引退後の指揮を)本当に楽しめた。
ナ・リーグのチームがワールドシリーズで開幕できるのはいいことだ。
(今回の球宴は)球場に入るときからすべてが完璧だった」
※MLB オールスターゲームで、
ベンチからデトロイト・タイガースのフィルダーたちを見詰める
レンジャーズのダルビッシュ
Photo by 共同
でもただでは終わらないところがダルビッシュだ。
試合中も、専属通訳のジョー古河氏(*1)を帯同しながら
オールスターに選ばれた粒ぞろいの他チームの猛者ピッチャーたちと
積極的にコミュニケーションを図っていた。
とくに7回、ダルビッシュが軽いランニングをしながら
左翼外野観客席のすぐ下にある屋外ブルペンへ移ったときは、
観客席もざわつき、ダルビッシュの登板か?と思わせた。
しかし、一度もブルペンで投球練習をしないダルビッシュを見て、
あぁ、これは登板がなさそうだなとわかった。
※屋外ブルペンで待機するも出番の来なかった
レンジャーズのダルビッシュ
11日、カウフマン・スタジアムにて
(Photo by サンケイスポーツ)
ダルビッシュは、ブルペンに移ってから試合終了まで
ずっと他チームの投手とピッチングについての意見をリラックスしながらも熱心に交わしていた。
とくにボールの握り方について語り合っていて、
今季前半戦だけで24セーブの右腕、クリーブランド・インディアンスの守護神
クリス・ペレス投手(27歳)に質問をぶつけた。
ペレス投手によると、
「スライダーの握りを教えてくれ、といわれたので見せたんだ」
ダルビッシュは、返礼にツーシームの握りをペレスに見せたが、
「見たこともない、まったく新しい握りだった。すぐに投げるのは難しいね」
とリーグを代表するクローザーを驚かせていた。
※前半戦だけで24セーブの右腕、
クリーブランド・インディアンスの守護神、クリス・ペレス投手
Photo by MLB.com
http://cleveland.indians.mlb.com/team/player.jsp?player_id=453198
◆ダルビッシュ、MLB オールスターゲーム前の公式記者会見
10日、アメリカ MLB メジャーリーガーと並んでも
まったく見劣りしない日本人として規格外の体躯を持つダルビッシュに
関心の高い米取材陣が、日米の体格差についての質問に対して、
「身体が違うのではなく、(米国と日本では)そもそもトレーニングの内容が違う。
日本は筋肉付いたら重くなるとか、動きが悪くなるとか、
わけの分からないことを言う人がいる。
そういう固定観念に縛られ過ぎて、(何十年も)野球がまったく伸びていないと思う」
ダルビッシュならではの大胆な視点と分析力だ。
この提言に対して記者たちは、かなり驚いたようだ。
しかし、これは日本球界を愛するダルビッシュならではの
心のこもった発言である。
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(*1)
ジョー古河氏(41歳)
現在、ダルビッシュ有投手の専属通訳。
1992年、ドラフト外で広島に入団した元内野手。
95年に横浜に移籍し、99年に現役を引退。
その後はフロント入りして国際業務部兼通訳となり、
05年から09年までは、広島のブラウン監督の通訳を務めた。
2010年から、テキサス・レンジャーズの環太平洋スカウトとして、
の獲得などでも活躍した。
※テキサス・レンジャーズへの入団が決まり、取材を受けるダルビッシュの
隣で通訳をするジョー・古河氏
右手前は、ロン・ワシントン監督
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※ オールスターゲーム前にチームメイトのナポリと談笑するダルビッシュ
ミズーリ州カンザスシティ、カウフマン・スタジアムにて
Photo by REUTERS/Mike Stone
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ダルビッシュの次回登板は
3度めの対戦となるワシントン州のセーフコ・フィールドで
シアトル・マリナーズとの第2戦目になる。
また、イチローとの対決が楽しみだ。
ダルビッシュ 登板予定の公式戦テレビ放送は、
7月15日(水)、NHK BS1で、10:00~生放送の予定。
MLBの放送はNHK BSだけでなく、Gyao MLB.jpでも同日放映予定。
【ダルビッシュの成績 メジャー】7月12日現在
試合数:16 防御率:3.59 10勝5敗 投球回数:102 ⅔回
被安打:86 奪三振:117 四死球:56
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ダルビッシュは、MLB オールスターゲームに選ばれた以上
一度はマウンドに立って見たかったのは、投手心理からすれば当然だったことだろう。
何よりも日本だけではなくアメリカのMLBファンたちこそ、
その勇姿を目の当たりにしたかったはずだ。
しかし、野球は一人でやるスポーツではないし、ゲームの指揮を司るのは監督だ。
その監督を信じなければゲームにすら勝つことはできない。
そういったプロとして、メジャーリーグベースボールプレイヤーとして
日々、メジャーリーガーの自覚をひしひしと感じているダルビッシュであるはずだ。
なによりもオールスターゲーム「最後の一人」として選ばれた選手とは思えない
存在感がダルビッシュにはあった。
登板機会のなかった投手で、これほど場違いな印象が全くなかった
オールスターゲーム・プレイヤーは、MLB史上初めてだったと思う。
「こっち(メジャーリーグ)に来てから、
日々勉強をしながら成長している自分を感じている。
日本ではなかった感覚だ」
と、ダルビッシュは最近の取材で語っていた。
来年のMLB オールスターゲームこそは、
目の覚めるようなピッチングで前半戦を過ごし、
ファン投票、監督・選手推薦を当たり前のように
勝ち取ってマウンドに立ち、淡々と投げるダルビッシュを見ようではないか。
がんばれ、ダルビッシュ!メジャーリーグの道
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ダルビッシュ MLB オールスターゲーム 2012 結果成績【ダルビッシュ 球宴】
ダルビッシュ 登板予定 2012〜メジャーリーグの道
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